腰痛や膝痛になって病院へ行くと、医者から「筋力が低下しているので、筋力トレーニングをして筋力をつけてください」と言われたことがあると思います。

 

実際は、日ごろから筋力トレーニングは欠かさず行っている人の方が少ないので、このフレーズもかなり一般には受け入れられているようで、「膝や腰に痛みがあるのは、足や腰の筋力が弱くなってきているから」と考える方も多いかと思われます。

 

筋力トレーニングをすれば、痛みがとれるという方もいらっしゃるかと思いますが、必ずしもそうとは限りません。現に筋力が一般人の何倍もあるようなプロレスラーやお相撲さんの中にも、腰痛や膝痛の人はたくさんいます。

 

例えば、膝が伸びないのは、太ももの内側の筋肉が弱っているからと考えがちですが、もしかしたら、太もも前側の筋肉が硬くうまく伸びないのかもしれません。またそれに伴ってお皿の可動がないかもしれません。膝裏の筋肉が緊張して伸びないかもしれません。

 

さらに姿勢からみると、骨盤が後ろに傾いて、猫背で、 重心がかかとにのっているから、バランスをとる為に膝が曲がっているのかもしれません。

 

その人によって身体の状態が違いますので、間違った鍛え方をすると、痛みがある時にトレーニングを行っても、力が出せないばかりか余計に緊張が強くなり、かえって悪化する場合もあります。

 

痛みがある時は、数値で言うとマイナス(ー)ですから無理をしないこと。間違った方法で鍛える運動や筋トレをするというのは、風邪を引いて寝込んでいる時に、脂っこい物を食べるようなものです。

筋肉の緊張している箇所と弱化している箇所を見極めて、適切な方法で行うことが重要ですから、痛みをとる為に我慢して、間違った筋トレをするというのはナンセンスです。

よくプロ野球の選手が、シーズンの入りばなに、打って走っただけで、ふくらはぎやももの肉離れを起こしてしまい、早々に戦線離脱することが多いようです。

その原因の一説として、あるフィジカルトレーナーの方が「筋力トレーニングの弊害」と答えておりました。

その方いわく、筋トレが練習に導入されてから、打者は特にパワー重視になった。体幹や股関節などの体の基礎機能を無視して、筋肉のパワーを単体で上げようとしているからケガをする。

 

筋肉の動きは前後、上下、左右の引っ張り合いで、筋肉は連動しているので、片方だけを鍛えても、結果としてトータルバランスが下がってしまうようです。

筋トレをして、筋肉をつけることでバランスが崩れ、逆にケガをしやすくなってしまえば、意味がありませんね。

 

古い話ですが、すでに引退された清原選手もケガから復活の為に、筋トレをして肉体改造で話題になりましたが、すごく筋肉はついたのに対して野球のパフォーマンスはあまり伸びませんでした。膝痛もあまり解消されてないようにみえました。

 

各部位の筋パワーだけを向上させても、それぞれスポーツの特異的な動作の向上にはつながりません。

 

痛みがある時も、スポーツのパフォーマンスを上げるのどちらにしても、筋トレは否定しませんが、どこをどのように行うのか、またバランスと筋力と動作を結びつける練習もしっかりと取り入れる必要がありますね。