変形性関節症はサプリメントでよくなるのか?

サプリメント

最近はテレビ、ラジオや新聞広告宣伝で、膝痛、股関節痛、変形性関節症のサプリメント(グルコサミンコンドロイチン、ヒアルロン酸、コラーゲンなど)がいろいろでていますね。

当院でも、膝、股関節の痛みに効くサプリメントって効果はあるの?」という疑問をもっていらっしゃるお客様が多いです。注射は嫌だし、良くなりたい一心で、何かに頼りたいのも理解できます。

 

関節痛のサプリメントといえば、「グルコサミン」と「コンドロイチン」

名前は聞いたことがあるかと思います。

グルコサミンとは、軟骨成分の一つです。ヒアルロン酸の原料にもなります。

コンドロイチンも皮膚や軟骨の保水性・柔軟性・弾力を保つ為の成分の一つです。

 

業界的には、軟骨がすり減るのだから、その軟骨を構成する物質を補えばいいという理由だと思いますが、果たして、宣伝で謳う程効果があるのか?はなはだ疑問です。

そもそも口から摂取した物というのは、胃や小腸で分解、消化吸収され血液で全身に運ばれるわけです。軟骨を構成する物質を口から飲んだとして、どれだけものが、膝や股関節そのすり減っている軟骨にいきわたるのか?痛い箇所だけにとどまるわけでもないですし、またその成分がそのまま体を修復するわけではありません。

サプリメントを飲んで、痛みはどうなったかという研究が、医学雑誌で発表されていて「臨床的に意味があるほど、痛みに対してグルコサミンとコンドロイチンの効果はない」と結論付けています。(参照論文:Wandel S, et al. Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis. BMJ. 2010)

 

以上の理由から、変形性関節症をよくする為にサプリメントを摂取するのは、あまり意味のないことのように思います。

しかし、実際に飲んで変形性関節症の痛みがとれたという方も、何人かいらっしゃることは事実です。

そういう方は恐らく、飲むことによる安心感。プラセボ効果(効き目のある薬を服用していると本人が思い込む心理的効果によって、症状が軽減すること)が働いているのではないかと考えられます。

 

結論としては、サプリメントとは「医薬品」ではなく、あくまで「健康食品」もし飲むのであれば、サプリメントは「気持ち」だと思って飲んでください。